繁華街

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食堂が休みの日にも繁華街へは行く。夜の22時か23時までは何かしらテレビを眺め、疲れた頃に繁華街へ向かうのがお決まりのパターン。 私が‘まる’で働いていることを知っている人のお店に行くので、ぼったくられることもなければ、いかがわしい営業をされることもない。それよりも、同じ繁華街の住人に出会えばご馳走になることの方が多いかもしれない。 「今日はイマイチ羽振りのいいお客様が来なかったから、さっさと店じまいよ」 そう言う高級スナックのママさんが店の女性スタッフを3人連れて‘お付き合い’で他の店に飲みに行くところに出会った今夜は 「玖未ちゃんも今から飲むんでしょ?連れてってあげる」 ベージュ地にグレーのしま模様が大胆な着物は赤の細いラインがポイントで華やかさを出しているな…とママさんの着物を見るうちに手首を引かれる。 「前にも言ったけど、玖未ちゃんと私が同い年って絶対に見えないよね」 「いい意味でも悪い意味でも見えないね」 「それそれ、いい意味でも悪い意味でもだよ」 3人のスタッフさんも初対面ではなく、私にあっさり普通に話してくれる。実は現時点で私は彼女達の名前を思い出せていないので、話の中で名前が出てくるのを待っている。髪型やドレスを変えないでいてくれると覚えられる…はず…なのだけれど。
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