【終 独り言】

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【終 独り言】

 魑魅魍魎が跋扈する、古の地。  人ならざる者を目に映す者が見るのは、それらが蠢く街の様子。善い者も、悪い者も、古い土地には数多の何かが住み着いている。  ……貴方が無事に戻って来て何より。  大きく息を吐いて、私は鳥居を潜った。中継を依頼している神社を後にする。  自分達まで巻き添えを食らってニワトリから文句を言われたと、非常に不快そうな顔で文句を言われてしまいました。  あの神社の八咫烏達にはいつも迷惑をかけてばかりです。もう来るなと言わないのはそれでも私をある程度許容しているからか、それとも希の一族である私が圧力をかけていると捉えられてしまっているからでしょうか。  機嫌の悪そうな八咫烏から、伊勢から届いたという手紙を一通受け取りました。ひよさんからのものです。晃一さんとの四日間が楽しかったこと、私と会えて嬉しかったことなどが綴られていました。ちらりと見ただけなので、後でしっかり読みましょう。  紐の挙動がおかしかったことについて調べる必要があります。しかし、あの様子の八咫烏達に何らかの協力を請うことは難しそうですね。もう少し時間を置いてからの方が良いでしょう。  晃一さんからお土産にもらった飴を一粒、口に入れる。ほのかな甘さを舌の上で転がしながら、私は翼を広げて飛び立った。  これは誰かが見た景色。  覡が学友達と楽しんだ、三泊四日の素敵な旅の話。
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