センセイ コウコウセイ キョウカイセン

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センセイ コウコウセイ キョウカイセン

3cd34946-a12b-440a-acd0-e2658c1be863 ねえ先生――僕はあなたの目にどう映っていますか? 僕の存在に気づいてくれていますか? まさか、先生に恋をするなんて思ってもいなかった。 自分が誰かに恋をするなんて思ってもいなかった。 入学してすぐの頃、一人ぼっちの僕に何も聞かずただ黙って隣に立つと、すっと紙パックのフルーツオレを渡された。 「これ、甘くて美味しいから飲んでみ」 「えっ、でも……」 「いいから、いいから」 こっちを向くこともなく、真っ直ぐ前を向いたままの先生の横顔にちらりと視線を向けると、その綺麗な顔立ちに胸の奥がとくんと鳴った。 手渡されたフルーツオレをもたつきながらもストローを差して吸えば、甘くて冷たいそれが喉を潤していく。 「甘くて……美味しいです」 「だろ? また、奢ってやる」 そう言って、先生は初めて僕の方を見て少年みたいに笑った。 きっとあの瞬間――僕は先生に恋をした。 でも、どこかで感じる先生と生徒という境界線に、近づけない虚しさだけが大きくなっていく。 どうか先生――遠くへ行かないで。 いつかきっと、僕たちの間にある境界線を越えて見せるから――。
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