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サラリーマン 大学生 売り専
むしゃくしゃしてどうしようもない夜は、決まってある店へと足を運ぶ。
高級スーツを身に纏い、一歩その世界へと足を踏み入れれば、そこには物欲しそうに視線を向けてくる奴らがいる。
その中に、一際目を惹かれる美人な男がいた――。
他の奴らはうんざりするほどの視線を向けてくるのに、そいつは視線を下げたままただ一点を見つめていて、普段は自分から声をかけることはしないのに、俺はそいつへと近づいていく。
「こんばんは」
「こんばんは」
「君、見ない顔だね」
「今日が初めてなんで……」
「だったら、初めては俺とどう?」
その問いかけにそいつは黙って立ち上がると、さほど変わらない身長差で隣に並ぶ。
「学生?」
「はい」
歳の差はゆうに十は違うであろう大学生に、気がつけば腕を伸ばし腰に回していた。
――ねえ、お前はどんな声で喘くの?――
想像するだけで駆り立てられるこの気持ちを、全て受け止めさせたい――そう思った。
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