なりたいものねだり

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 --朝日が昇る。日の光が部屋に入り込み、照らしてくる。  今日が始まった。憂鬱で忙しい日々が始まる。  ……いつもなら。 「……」  自身の置かれた現状に脳が混乱している。  改めて、自身の置かれた状況を整理する。  目線の高さは三段本棚の一番上。手に取られやすい位置だ。身体は動かない。意識ははっきりしている。直射日光に晒されているが眩しさは感じない辺り、一部の感覚を失っているようだ。  何度も確認した。何度も思考を巡らせ、何度も混乱した。  しかし、現実は変わらない。状況も変わらない。変な夢かと思って朝まで待ったが、一向に覚める気配が無い。  ……もう認めるしかないだろう。  明らかに現実を超越した現象が起きているが、もう受け入れるしかない。  本になっているのだ。  自分自身が。
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