アリス

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アリス

 その時、不意に目の前でドアが開いた。 「うるさいわね。何度も言わなくてもわかったわよ」  アリスは全身びしょ濡れのまま仁王立ちしてわめき返してきた。真っ裸の状態だ。 「ううゥ!」  ボクは茫然と彼女の胸元を見つめた。  目を見張るほどの巨乳だ。艶かしいメロンのようだ。ただ単に大きいだけではない。大きさフォルム、そして乳首の色、さらに乳輪のバランスともに世界一美しいと評判のオッパイだ。 「ああァ、ありがとう。そこに置いといて」  一応、アリスは礼を言いアゴで差して命じた。もちろん一糸まとわぬ姿だ。 「ハ、ハイ……」  とてもではないが恥ずかしくて、まともに正視できない。すぐさま視線を逸らした。 「ど、どうぞ。ごゆっくり」  なんとか、それだけ言うとボクはその場から離れ、いち目散にリビングへ駆け込んでソファに腰掛けた。 「ああァ」知らぬ間に言葉にならない呻き声が漏れた。  スゴい巨乳だった。夢のような出来事に胸が高鳴っていく。  まるで厨二病の男子が妄想するようなラッキースケベだ。深夜のオカズにはうってつけだろう。毎晩、セクシー画像でお世話になっているはずだが、(じか)に目の前で見る生のオッパイは格別だ。  母親以外の生のオッパイを見たのは初めてだ。感激で全身が戦慄(わなな)いていく。  ペットボトルのアイスコーヒーをグラスに注いだ。興奮と緊張からだろう。かすかに手が震え、グラスの氷がカランと涼し気な音を立てた。 「ゴクゴク……」  一気に、グラスのアイスコーヒーを煽って飲み干した。爽やかな飲み口だ。 「はァ……」また大きくため息をついた。  けれども未だに落ち着かない。興奮で全身が震えるようだ。一瞬しか見てないのに(こと)さら脳裏に焼きついている。 「フフ……」  アリスのオッパイを思い出すと自然と笑みがこぼれた。  その時、不意に背後から声を掛けられた。 「ねえェ、ポチロー。私にもアイスコーヒーちょうだい」 「えッ……?」  ボクが後ろを振り返ると、いつの間にかアリスが微笑んで歩み寄ってきた。  今度は(あで)やかなボディに淡いピンクのバスタオルを巻いている。
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