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真夜中の濃厚接触
突然、女性が応対したので驚いたようだ。まさかハリーも電話の相手がセクシークイーンの姫乃アリスだとは思わないだろう。
「もしもしハリーか。ボクだよ。星だ」
傍らからボクは早口でまくし立てるように声を掛けた。
『え、なァんだ。やっぱポチのスマホか?』
スピーカーからハリーの落胆した声が届いた。電話相手のハリーも半信半疑みたいだ。
「フフゥン」
しかしアリスはふざけてボクに襲いかかり組み敷いた。アリスはバスタオル一枚の格好だ。むやみに触るとセクハラになってしまうだろう。
「ちょッ、ちょっと退いてください」
ボクは仰向けに転がされアリスにマウントポジションを取られた。ボクの下腹部に彼女が跨がった状態だ。生身のお尻の感触が堪らない。
「フフゥン、悪いけどポチローは今、私と真夜中の濃厚接触の真っ最中なのよ」
アリスはとんでもないことを言って、また小悪魔みたいに微笑みを浮かべた。
『えッ、えェ、真夜中の濃厚接触ゥ……。ポチとォ?』
電話相手のハリーは驚いて聞き返してきた。
「ち、違うってば。何言ってるんですか。ちょっと返してください。ボクのスマホを」
なんとかボクもブリッジしてアリスに抵抗を試みた。けれども、さらに下半身がアリスの柔らかなお尻に密着していく。
「いやァン……」アリスはわざと色っぽく拒否してみせた。
『おいおい、なんだよ。『いやァン』って。ポチィ、オレに断りもなく彼女と真夜中の濃厚接触なんて生意気だぞ』
ハリーは勝手なことばかり言っている。
「あのなァ、なんでボクが濃厚接触するのにハリーに断る必要があるんだよ」
ボクも文句を言ったもののアリスに翻弄されてキリキリ舞いだ。
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