聖矢

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聖矢

「ああァン……」  思わず、アリスの喘ぐような吐息が漏れてしまった。電気ショックを受けたみたいに全身がピクピクッと反応してしまう。 「はァ、アリスゥ」  聖矢も激しい口づけに呼吸が荒くなっていった。彼の舌は触手みたいにアリスの口内を侵食し、じっとりとなめ回していった。さらに硬くなった股間を密着させたまま激しく押しつけていた。 「お、お願い。優しくしてェ……」  堪らずアリスの大きな瞳から涙がこぼれた。 「ううゥ、まさか。アリス。お前ヴァージンなのか?」  聖矢も眉をひそめ訊いた。 「くッうゥ、悪い」  視線を逸らし腕で顔を隠すようにした。 「いや、悪かったよ。オレ、ヴァージンの子とやったことないから」  ようやく聖矢も力を抜き、アリスから離れた。 「ううゥ……」アリスのすすり泣くような声が虚ろに響いた。 「ゴッ、ゴメン。オレ……、彼女の愛し方がわからないんだ」  聖矢は仰向け寝転がり、睨みつけるように天井を見つめた。 「えェ……、愛し方が?」 「フフゥン、オレッて、ほらァ自慢じゃないけど生まれつきイケメンでモテるだろう」 「な、なにその自画自賛。自分で言うこと?」 「まァ本当のことだからな。いつだって彼女の方から寄ってきて。初めての時も、あっという間にチェリーボーイを卒業したんだ」  「ふぅン、そうなの……」 「それから、いつだって綺麗な女の子たちがオレの周りにいて……、好きな時に彼女たちを抱いて、まるで息をするようにセックスしていたんだ」 「はァ、息をするようにセックスを……。なに、それェ?」 「まァ言い方は悪いが彼女たちを欲望のはけ口にしてたんだよ」 「あのねえェ……、いつまで続ける気よ。聖矢の自慢話しを」 「ああァ、悪かったな。もう帰ってくれよ」 「えェ……?」 「済まなかった。もう二度と会うことはないだろう」  聖矢は、ゴロンと寝返りをうって横を向いた。 「そ、そうね」  アリスも独り言みたいにつぶやいた。 「くうゥ……」  聖矢は自己嫌悪に陥って顔を歪めた。  ゆっくりアリスは学生服の身なりを整え、黙って聖矢の部屋を後にした。  
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