探偵 開けてはいけない扉

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41つ目の事件(短編)  この日、Xと大月は授業料が安いと評判の学校に来ていた。  なぜ学校に来ているかと言うとそれは、校長先生から子どもたちが取引口になっているかもしれないから調べてほしいということだった。  なんの取引口かというと、子供の言うおクスリ、大人の麻薬などと言われるものだ。  本来なら、押収した証拠で逮捕できるが、相手が子どもたちとなると、子ど思は単なる受け子、つまり捨て駒、である。そのため、先生たちが目を光らせていたが、それらしきものは一切なかったと言う。  Xは頭を抱えた。「なんで証拠も現場も見つからないんだよ!」、Xが叫んだその時、Xの頭脳が光った。  そして、Xは静かに犯人を指さした。 「あなたですね。この事件を起こしたのは。」Xが静かに指を下ろす。 その指の先にあったのは、校長先生の姿だった。 「なぜ私なんです。」 「私は最初気になりました。なぜここが授業料が安いのか。そしてなぜ評判が異様なほど高いのか、それはあなたが塾生の保護者に麻薬を売っても受けていたからですね。こうすれば全て通ります。」  校長はガックリと膝を落とした。そしてムクリと立ち上がると走り始めてた、校長先生は涙をこぼしながら走っていった。 「追いかけなくいいのか?。」そこまで問いて大月は目を見張った。  Xの目からとめどなく涙が溢れ出ていた。  大月は察した。Xは悲しいんだろう。その時、Xが口を開いた。 「先生を追ってはいけないよ。だって塾の他の先生や生徒が困るだろ。」そう言ってXは力なく笑った。
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