処し難(にく)い男

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玉藻の前。達哉が警備の要にしている女性。その正体だ。この作業現場には常識はないのか。判断材料から察するに、常識と言う観点に於き、個性や特徴の類に為るだろうか。「河野苫実(かわのとまみ)ですよ。達哉はまた私ばかり見てるね。俗衆に襲われるか。はたまた私が過ちを犯すか…何故見る?何の変哲もないものを何故始終見ゆるか?あっははっ!見てないか?」苫実は達哉の額の目から煙が如く出て来た。苫実もしかし、熊谷さんを基調とし、力強い体格を為していた。土木作業に向いている。「妖かしめっ!違うっ!」両の手で額の目をひた隠す達哉は焦燥感に駆られていた。「悪巫山戯は止せ。苫実…。お前が不安定材料、仕事に為る為らないはお前が一定の状態であるばかりだろう?」私は問うた。自覚症状を促すのが一番効率が良い。「あっははっ!見られてたクセに…。空輝は達哉にガン見されてたクセにっ!何で悪巫山戯何だ!!」私はしかし、苫実の逆鱗に触れた。怒り狂った苫実は巨大な白い発行体、怪鳥になったのだった。
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