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大福様が後にはやはり、大黒様が控える。如何にか恩があれば、如何にか返って来るものだ。邪険にしようも人が摂理だと私は思う。人か神かの通り道にあるのだ。「か、怪鳥とはな…。しかし、苫実よ?それからどうする?」私は真摯に問うた。「龍や馬よりは鳥の方が飛べるだろ?」苫実は予断を許さない侭に私を問い詰めるが如く返した。「いや…隔世故の傲りぞ?苫実…蠅に化けよっ!」達哉の顔中、恐らくは体中に眼が浮かび、ギョロギョロと辺りを見回していた。「は、蠅とな?あっははっ!鬼婆か?達哉は鬼婆と成りしっ!」苫実は涼しげに至り、達哉を鷲掴みにした。「わっ!止めろっ!目が潰れるだろうがっ!」達哉は必死に訴えていた。「あっははっ!達哉を人質にする。私の機嫌を取りに来いっ!さもなくば達哉は人質の侭ぞ!?」苫実はそう言うと飛び去った。その際の風圧は凄まじく、現場に大打撃を与えていた。「くっ!何て卑劣な真似を…苫実、許すまじ…。」私は苫実への報復を強く誓ったのだった。
-完-
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