先輩が吸血鬼だったら後輩の僕はどう接すればいいんだ

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「つことで、契約しよ?」 「やですよ!!!!てか契約って何。」 「するよね?あ、それとも嬲り殺しがいい?」 なぜその選択肢が生まれる。 「あーーー………こいつの言うことは聞いといたほうがいいと思うぞ。選択肢与えられてる時点で相当珍しいから。」 ぴょこりと先輩の後ろから顔を出す先生。存在感の消し方のプロですか。アドバイスをくれる前に助けてください。 「吸血鬼自由すぎないか………。」 「下等生物相手だしな。」 「まあそこはしょうがないよな。」 下等生物言うな。 てか先生この前人権学習の講師やってたでしょあなた。 「てか先輩キャラ変わりすぎてないですか。」 「あー。弓道部のアレは作ってるからね。」 あの優しい先輩を返してほしい。切実に。 「あ、そろそろ時間ないぞ。チャイムが近い。」 「んー。どっちがいい?人間。」 「どっちもやですよ!!!」 「そうか……じゃあ強制契約で。」 え、なんか嫌な予感がする。 逃げようと思った瞬間に床から鎖が生えてきて僕の足に絡みついた。 「っ、何っ」 「逃げるな。ま、痛いのは最初だけだから。多分。」 「僕なにされるの!?」 「契約。」 それ絶対違うやつの言い方だよね!? ゆっくり先輩が歩き寄ってくる。 いつの間にか目が赤くなって、翼が生えてて、牙が見えた。 知ってる先輩じゃない。俺が知っている吸血鬼の見た目もしていない。 吸血鬼は翼なんてないはずなのに。ちょっと力が強くて、血を飲むだけの人間の友種のはずなのに。 僕の真正面で止まった先輩はにやりと笑った。 「なになになになに!!」 「今から言うことには全てはいといえ。言わなければ仕置きが待っている。言うまで続くからな。」 え 「汝、我が言葉に従いて、己の魂を我に渡すと誓うか。」 先輩と僕中心に赤い魔法陣的なのが現れたんだが。 魂を先輩にあげろと? 何だそれ。 はい以外を答えるとお仕置きがあるらしいが、流石に魂はあげられない。 「mッッッ」 体が真っ二つになって、更に燃えているような感覚がした。 凄く痛い。 なのに声が出ない。 一瞬で終わったが、痛すぎて立っていられない。 崩れ落ちそうになると、後ろから羽交い締めにされた。 灰月先生。 「すまんな。こんなことはしたくないんだが、まあ、許せ。」 ぼそっと耳元で囁かれた。 動けない。身じろぎ一つできない。 やばい。 「はいって早く言うしか道はない。これはお前が言うまで終わらないからな。」 先輩にとどめを刺された。 しょうがないのか?もう言うしかないのか? 「は、ぃ、」 「汝、我が言葉に従いて、己の命を我が手に渡すか。」 ぐっと首を先輩の手に締められる。 言わないとまた痛くなる。ビビった口は考えるよりも先に言葉を紡いでいた。 「は……い、」 「汝、我が言葉に従いて、己の血を我が手に渡すか。」 「……っ、はい」 鎖骨の下あたりが灼けるように熱くなった。 「ぁ……な、に、熱い…」 俺の首を絞めていた手を離し、シャツのボタンを外してくる。 痛みの余韻と、後ろから固めてる先生のせいで反抗できない。 第2ボタンまで外されて、中を覗き込まれた。 なんだなんだ。 「できたかな。よし契約完了第一部お疲れさん。」 「、なに。」 「ん?契約紋が出てるだろ?ここ。」 とんとんっと叩かれたそこに目を向ければ、血のように赤い魔法陣のようなものが浮き出ていた。
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