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「さぁ、この虹を渡って、次の試験場へ行って下さ
い。残念ながら私が案内できるのはここまでで
す。きららさんに会えて良かった。またどこかで
会えると良いですね。ありがとう。さよなら。」
マリーはそう言うと、眠っているリリーをまた抱
き抱えて、片手で手を振った。
「こちらこそありがとう。また会おうね。」
きららは虹のアーチを渡って歩き進んだ。
虹は、綿あめのようにフカフカの歩き心地で、1歩
1歩沈むので、前に進むのが大変だった。
「よいしょ。よいしょ。」
思ったより距離があり、端まで行くのにかなり疲
れてしまった。
「あー。やっと着いたぁ。しんどかったぁ。」
着いた途端にヘナヘナと座り込んでしまう。
すると、きららのおしりの下から声がした。
「痛いぞ。重いぞ。早くどけよ。」
「えっ。何?誰?」
慌てて、おしりを上げ、下を見てみると、絵本が
落ちている。
「あいたたた。やっと退いたか。」
絵本はまた直接きららの心に話しかけてきた。
そして、絵本は縦置きになり、ペラペラとページ
を開きだした。
「君がきららかい?マリーから連絡があってから、
随分待ったぞ。何してたんだ?」
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