愛のカタチがセカイを救う

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愛のカタチがセカイを救う

さやさやと大木の葉が囁きあっている。 木漏れ日を浴びながら湿気った草に寝転がってい る夏目きららは、ひどい眠気に襲われていた。 それもそうだ、ママが作ってくれた鶏のトマト煮 バジル仕立てに、フライドチキン、シーザーサラ ダ、おまけに、ショートケーキまで食べてお腹い っぱいなのだ。 その上、5月の気候が、とっても心地の良い風を 運んできてくれる。 「あぁ、眠い」 誰に言うでもないが、思ったより大きな声が出て しまった。 大丈夫。 近くに誰も居ない。 ここは、私のとっておきの秘密の場所なのだ。 10歳になったばかりの女の子が家から歩く距離に しては少し遠いけれど、こんなに特別な場所は他 にどこにもないときららは確信していた。 きららの家は青の屋根にグレーの落ち着いた外壁 の一戸建てだ。
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