風の頼り

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「星野(ほしの)さん！？この資料せっかく全部コピーしたのに今さら差し替えですか？」

「困るんですよね」

「あなた正社員なんだからもっと的確に指示してよ」

絶え間ないパートさん達の文句に私は慌てる。

「すっ、すみません。でも想定外の修正が入ってしまったので、資料は直してから会議に出さないといけないですし……」

母親世代の女性達からの刺すような視線は結構キツくて胃が軋む。

三十路の大人が情けないと思いつつ、それからトイレに駆け込んだ私は今日もまた涙を流してしまった。