大精霊

5/9
前へ
/664ページ
次へ
「私に何かお手伝いできることはありませんか? どんなことでもいいです!」  だからティナはルーアシェイアや精霊が元気になる方法があるのなら、教えて欲しいとお願いする。 《まぁ! 本当?》 《本当に手伝ってくれるの?》 《じゃあ、あなたのその神聖力を分けてくれる?》 「はい! もちろんです!」 《じゃあ、こっちに来て!》  精霊はティナにそう言うと、道を案内するようにふわふわと飛んで行く。 「あ、待って!」  ティナは精霊を慌てて追いかける。  どこに行くのだろう、と思っていると、精霊は湖の上を飛んで行く。 「えぇええっ?! ちょ、ちょっと待ってっ!! まさか泳ぐのっ?!」  流石に普段着のまま湖に飛び込むのは憚れる。せめて装備を外さなければうまく泳ぐことが出来ないだろう。 《大丈夫よ。こっちにいらっしゃい》 《溺れたりしないわよ》 《ここを真っ直ぐ行った方が近いからね》  湖に入るのを躊躇っていたティナに、精霊たちが安心させるように言った。 「……っ、はい!」  ティナは精霊の言葉を信じ、思い切って湖に足を踏み入れた。
/664ページ

最初のコメントを投稿しよう!

693人が本棚に入れています
本棚に追加