休息

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 獣魔契約を結んでから、ずっと眠っていたアウルムが、ティナの腕の中でもぞもぞと動き出した。 「くぅん……」  金色のくりくりとした目でティナ達を見るアウルムは、一見いつもどおりに見える。 「おはようアウルム。おかしいところは……無い、のかな?」  ティナはアウルムと従魔契約を結べば何か変化があると思っていたが、どこをどう見ても変わったところはない。強いて言えば、毛色が少し薄くなったぐらいだろうか。 「ああ、アウルムの額に少しだけ魔力を流してみて。契約紋が現れるはずだよ」 「本当? やってみる!」  トールに言われた通り、ティナがアウルムの額に人差し指を当て、微量の魔力を流してみると、赤い色の魔力で描かれた複雑な幾何学模様がアウルムの額に現れた。 「わぁ! すごい!」 「うん、ちゃんと成功したね。入国審査場でも同じようにすれば、問題なくアウルムと入国できるよ」 「トール有難う……! トールが一緒にいてくれて本当に良かった!」  最悪、アウルムと別れなければいけないところを、トールのおかげで事なきを得ることが出来たのだ。
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