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かなり短縮したとは言え、珍しく呪文を唱えた魔法なだけあって、その効果は時空を捻じ曲げるほど強力であった。
「……ティナ、これって……」
流石のトールもティナの結界──次元断層に絶句した。
時空間魔法は神の領域として、未だその原理は解明されていない。それなのにティナは減殺した呪文であっさりと魔法を行使したのだ。
──これこそが、ティナを<稀代の聖女>とたらしめる奇跡の力なのだろう。
だからこそ、アレクシスや聖国は卑怯な手を使ってでも、ティナを我が物にしたかったのかもしれない。
「私が使える結界でも一番強いやつなんだ! 外からは絶対気付かれないし、癒やしの効果もあるから、不眠症の人でもあっという間に眠りにつけるし、ゆっくりと休めると思うよ!」
ティナにとっては人知を超えた超越魔法も、ただ便利な魔法という認識しかないようだった。
しかしトールはそんなところがティナらしいな、と思う。
神聖力で作られた結界を張ったことにより、モルガン一家も今頃深い眠りについているだろう。
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