大精霊

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 ティナは美しすぎる光景を見て、無意識に涙を流す。感動で胸が詰まって泣くなんて、生まれて初めてだ。 《この実の一つ一つに精霊が宿っているわ》 《光が満ちたら精霊が生まれるのよ》 《ルーアシェイア様が力を分け与えているの》  ティナは泣いてばかりではいられないと涙を拭うと、自分の気を引き締めた。  精霊たちが手伝って欲しいと言うのだから、この精霊樹に何か問題があるのだろう。 「もしかして、ルーアシェイア様の力が弱まっていることが、精霊樹にも影響しているんですか?」  ティナは精霊たちが置かれている状況を理解した。これまでの話をまとめてみると、自ずと答えは見えてくるのだ。 《そうよ。精霊がなかなか生まれてこなくなっちゃったの》 《このままでは精霊の数が減り過ぎちゃうわ》 《そうなると世界中に瘴気が溢れちゃう》 「えっ……?!」  精霊と瘴気が関係あると知ったティナは衝撃を受ける。  何故なら精霊を否定しているラーシャルード教の教えは、瘴気を溢れさせることと同義だからだ。
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