桃色桃子

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付き合って約1年になる俺と桃子は大学の同じサークルの先輩、後輩でもある。 我ながら順調に、仲間たちから見ても順調に交際を続けているが俺と桃子は未だキス止まりの関係だ。それ以上に進みそうになると、桃子が小さく息を飲み身構えるのが分かるので 「大丈夫だよ。また今度ね」 と抱きしめて眠る。だけれども俺は決心した。3月3日の桃子の誕生日には心だけでなく体も通わせることを。 桃子にその日はうちに泊まって欲しいこと、桃子とひとつになりたいことを伝えると彼女も了承してくれた。 俺はその日のために小さなバースデーケーキを予約し、もう何度も桃子が来たことのある部屋を大掃除し、上下ともに新しい布団カバーを買って交換し、処女を出来るだけ痛がらせないで抱く方法を夜な夜な調べまくって、若干寝不足でその特別な日を迎えた。 「ありがとう、カズくん。ケーキまで準備してくれてたんだ」 スニーカーを脱いだ時に少しずれたピンクの靴下を定位置に直した桃子は、俺が冷蔵庫からケーキを出すととても喜んでくれた。
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