DV夫から逃げた私は優しいストーカー男を愛してしまった

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♢真王視点 ずっと遠隔モニターで盗撮と盗聴を楽しんでいた。でも、ようやく遠隔ではなく、直接、関わることができる。 ストーカーが一番求めていることを真王はやってのけた。 相手の信頼を勝ち取り、求められ、隔離すること。 緒二子が風呂に入っている間、自分の布団についた香りを堪能する。 顔を摺り寄せると、とてもいい香りがする。 生の緒二子の香りは香しい。 髪の毛が落ちていたが、それを見ても愛おしくなる。 極めつけは彼女が着ていた洋服は基本、真王のものだった。 自分の着衣を彼女が着ていると考えるだけでアドレナリンが沸き上がる。 全身の毛穴から湧き上がる湯気と歓喜があった。 下着はコンビニで真王が臨時的に買ってきたものと言ったが、ずっと身に着けてほしくて以前から購入していたものだ。 その下着は彼女が着て、洗濯したものだが、使用済み感があり、ふれただけで体が熱くほとばしる。 何もかもが、こんなにうまくいくとは。 あのDV男のことをうまくいらだたせることに成功したのは大きい。 DV夫がいらつくように仕向けたのは真王だった。 会社に嫌がらせの匿名抗議電話やメールを送り付けた。 顧客としての不満を特定の夫の個人名を出して抗議した。 今まで、仕事ができ完璧だった夫は初めて会社という閉鎖空間では異質を見るかのまなざしに変化する時間は要しなかった。 これは、ある意味駆け落ちだ。 だから誘拐でも監禁でもない。つまりは合意の上。成人済みの男女が恋に落ちることはある。 そのための演出だ。いままで一点の曇りもなく、シナリオの進捗状況は進んでいた。 彼女が入浴後に使ったタオルを何度も舐めつくしていることは、もちろんバレていない。 浴室で彼女の垢を舐めるかのように幸せを感じているなんて、バレてはいない。 あぁ、体が熱い。一点に全身の血液が集中するかのようだ。 真王はほとばしる欲を抑えるのが必死だった。 これまでの苦労を無駄にしないために、まだ何もしない。 そして、彼女を合法的に監禁したことは誰も知らないのだ。
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