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小学校から中学校になると、柚は学年ベストスリーに入るイケメンになったよね。
飛びぬけて女子からの支持率は高いし、近くには美人な先輩、可愛い後輩が囲んでた。
高校に入学しても、柚には彼女はいなかった。
あんなにモテるんだから、彼女はいてもおかしくないのに。
不思議で仕方がなかったわ。
その頃私は、不良の幹部。
柚とは真逆の世界にいて、同じチームの先輩と付き合ってた。
その先輩は私より3つ上、高校生でイケメンで強くて最高の彼氏だった。
でも、先輩は私より3つ上。生きてる世界も違うし、先輩だったらもっといい彼女が出来ると、どこかで思っている私がいたの。
そして別れを切り出した。
「先輩、すみません。別れませんか?」
自分勝手だと思うし、酷いと思った。
「うん。藍衣にももっといい彼氏が出来ると思うよ」
でも先輩は、優しく微笑んで承知してくれた。
「ありがとうございます……先輩」
その後知ったのが、先輩と柚の関係。
実は柚が先輩に相談してたなんて、知らなかった。
だったら辻褄が合うね。
それから数日後、柚は告白してくれた。
それを機に、私は不良をやめることにしたの。
不良は漫画みたいにあんな綺麗事だけじゃない、
捕まる人達がいたって、可笑しくはない世界。
不良を辞めて、普通の青春を謳歌しようと思った。
「いいんじゃない?」
柚は微笑んで私の考えに賛成してくれた。
隣にいる柚の顔は整っていて、目の保養だった。
鼻筋も通ってて、まつ毛も長くて、こんな人が私の彼氏?
自分で半信半疑をして、数年が経った。
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