0人が本棚に入れています
本棚に追加
やぁ、皆さんどうも。私は道です。なんの変哲もないただの一本道です。強いて変わっている点といえば、少々おしゃべりといった点でしょうか。
え?喋れたらただの一本道ではない?
普通の道とやらは話さないのですか?ほぉ、それは初耳ですな。なにぶん私は道なものでしてね、気づけばここにおり、私を踏みしめるものがいなくなるまでここにいるのです。他の道のことを知る術はないのです。
ふーむ、ここに訪れる人々は皆、私が話しかけても驚く様子を見せないので、道は話すことが当然だと思っていましたよ。
む、どこにある道かって?
そうですね。……それはあえて言わないようにしましょう。ただ、誰しも必ず一度通る道です。寝転がりながら見ているあなたも座りながら見ているあなたもそう、必ず。
ああ、早く答えが知りたいからといって焦らず、ゆっくりと私の元へ来てくださいね。
最初のコメントを投稿しよう!