おしゃべりな道

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 え、もう少しヒントが欲しい? むむ、そうですねぇ。それでは最近あった特別な日の話をしましょう。  あれは…えっ…と………ふむ。忘れてしまいましたが最近です。そう、最近。当時はびっくりしましたよ。いつもなら1日に私を訪れる人々は大体4,000人ほどなのですがその日は2万人以上が訪れてきました。それだけでなく、その日は人々の様子も違いましたね。いつもなら何か察したような様子であったり悲しむ様子、ごく稀に喜ぶ様子を浮かべる、ほとんどはこのように三者三様です。しかしその日は皆唖然とした様子でした。自分に何が起きたかわからないような。そして唐突に理解し泣き喚く。ここにきた全員がそうでした。そう、一人残らず。  一通り泣き喚くと皆、いつもと同じ何か察した様子で来た方向に背を向け歩き出しました。 …いやぁ、今思い出してもあの日は特別でしたねぇ…。      人というものは不思議なものです。皆、私をと思っています。私を踏み締めた時点でゴールしたと考えます。  いいえ、私は道です。少々おしゃべりな一本道です。私の元へ来た人々はまだまだ道の途中なのです。だからこそ選択の余地があります。ここを訪れたからといってゴールへ向かわなければならないということはないのです。  もし私の話を聞いてくださったあなたが白く綺麗で少々おしゃべりな一本道に訪れたときは、一度立ち止まり振り返ってみて下さい。そして、後悔が少しでもあればそのまま走って行きなさい。約束ですよ?  っとと、少々おしゃべりが過ぎましたね。申し訳ない。そしてありがとうございました。名残惜しいですがこの辺でお別れです。あなたが全て納得できたのならまた会いましょう。 あなたと会えることを楽しみにしております。    あ、そうそう、さっき話してた特別な日。いつだったか思い出しましたよ。
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