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すぐさま望月あやののSNSを見る。
ズラリと並ぶ色とりどりの写真。
そのどれもが驚くほどハイブランドのしかも新作揃いなのだ。
望月あやの。19歳。
19歳!?まだガキじゃんっ。
どうして、こんなガキがこんな沢山ハイブランドに囲まれてんのよっ!?
ひなこは短パンから伸びる自身の長い脚をブランブランさせながらカフェモカを啜る。
「なーんだ、そうゆう事か」
1人ニンマリとほくそ笑み、あやののコメントにリプ返をする。
@hinako. suno
コメントありがとうございます♡
あやのさんの写真見させて頂きました!
凄いなぁ、新作ばかり♪
19歳でハイブランド持てるくらい働いてて
格好良いですね!!
一見、誰が見ても良心的なコメントだ。
だが、この一文には毒のような一撃が潜んでいる事は見る人が見ればわかる。
そう、最後の一文。
(働いてて格好良いですね)
案の定、それはあやのにとって顔から火が出るくらい大打撃だった。
あやのが働いているなら何の異論もないだろう。
しかし、あやのが毎日している事は決して人様に大々的に宣言できるような稼ぎ方では無かったのだ。
「あーやーのーちゃん!」
急に声をかけられてビクッとして振り向くと男が立っていた。
あやのは無言で頭のてっぺんから爪先まで眺めて、思わず出そうになった溜め息を呑み込んで無理矢理笑顔を作った。
「トシゴローさん♪お久しぶり!」
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