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「ひなこさん、おはようございます」
編集長が楽屋に挨拶に来た。
ギャル雑誌の編集長はまだ若い女性で、裏方に置いておくには勿体ないくらいの美人だ。
「おはようございます。掛井さん。今日は長くなりそう?」
「そうですね・・・夕方まではかかるかも。何かご予定ありましたか?」
掛井はシャツの袖を捲り、腕時計を見る。
ひなこはその腕時計に釘付けになる。
「すごい!それ!ロレックス?見せて下さいよ!!」
ひなこは興味津々で掛井の腕をとり
「チョコ文字盤!?可愛い!ダイヤが星形になってる!!」
と、一気にボルテージが上がった。
「え?プレゼントですかぁ?」
ひなこが上目遣いでニンマリ聞くと
「まさか。自分へのご褒美で買ったものですよ!」
と掛井は笑った。
ひなこは掛井のロレックスを見ただけで自分の購買意欲が増してくるのを感じていた。
「じゃ、ひなこさん本日は宜しくお願いします」
「宜しくお願いしまぁす!」
ひなこは掛井が楽屋から出て行くのを確認してからヘアメイクさんに
「アレ、絶対男からのプレゼントだよ」
と言って笑った。
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