パンチング!!

5/55
14人が本棚に入れています
本棚に追加
/55ページ
「いいね~ひなこちゃん。ナイススマイル」 カシャッ、カシャッ、とシャッターを切る音が心地よい。 ホテルのプールサイドに座り、麦わら帽子のつばを指でなぞる。 「いいねぇ~目線あっち、そうそう。可愛い!!」 カメラマンの龍生は長身でイケメンだ。 ひなこは龍生にほのかな恋心を抱いていた。 「バッグ変えようか。前髪なおして」 龍生はカメラを置いて水を飲む。 ヘアメイクさんに髪を直してもらいながら、ひなこはチラチラと龍生を盗み見る。 歳はいくつくらいなんだろう?結婚してたりするのかな? ペットボトルの水が減っていくのに比例して、龍生の喉仏が上下に大きく動く。 女には無い不思議に動くその物体に、ひなこは言い難いセクシーを感じてしまう。 ふいに目が合う。 龍生がひなこを見て言った。 「ひなこちゃん。水分とった方がいいよ?顔が赤くなってる」 「あ・・・・はい」 ひなこはますます赤くなる。 ヘアメイクさんがフフ、と笑う。 「ひなこちゃん分かりやす過ぎる」 「だってぇ。龍生さん素敵なんだもん」 「ですよねぇ。モデルからも人気ですもん」 「彼女、いるのかなぁ?」 「今、いないんじゃないですかねぇ。この間、別れたって言ってたから」 「えっ!?」 思わずひなこは手で自分の口を押さえた。 やばー。 ワンチャンあるってこと!?
/55ページ

最初のコメントを投稿しよう!