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『はじめてのぼうけん』
『あなたは大きくなったら、勇者として魔王を倒しに旅立つのですよ』
みこさま、というおばあちゃんの言うことは、むずかしくてよくわからない。みんな、ぼくにあたまを下げて、ゆーしゃさまゆーしゃさま、って、呪文みたいにとなえるんだ。
ぼくにはよくわからないことだらけ。だけど、この白い大きなたてものを出て、ひろい世界をどこまでもゆくのは、楽しみだな。
「はやく、はやくう!」
友だちが手をふって、ぼくをよんでる。はじめてたてものの外につれだしてくれた、角の生えた友だち。
知ってるよ、ほんとはなかよくしちゃいけないって。でも、だいじな友だちなんだ。
手をとりあって。ぼくらははじめてのぼうけんに心はずませて、走る。
297文字。
『毎月300字小説企画』第1回お題『初』。
何事もはじまりが肝心と言う事で、賑やかしに参加させていただきます。
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