壱 ・ 喧嘩上等

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なんとかしないと。  周りを見渡すとコンビニのゴミ箱の横に雪かき用のスコップとリヤカーが立てかけてあった。私は醤油を放り出しスコップを握ると傍らにある茶色く汚れた雪の山にそれを突き立てリヤカーに山盛りの雪を掬い上げた。そして金髪の彼を蹴り上げてあさましく笑っている男達に突進すると、三人に向かってリヤカーごと大量の雪をザバッーと降りかけてやった。 「うわっ」 「何すんだ、このアマ!」  体勢を崩し慌てて雪を払い除けている彼等。私は急いでスコップも持ってきて振り上げたままの体勢をとった。 「喧嘩上等っ。来るなら来なさいよっ」
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