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取り出したのは細長いどこにでもあるような緑の葉が二つ。それを彼は嬉々として雪の塊の上にサクサクと二つ、挿した。
ひょっとして……雪うさぎを作ってるの?
そう思った時、彼の肩に手をかける白いダウンコートの大男が現れて、あっという間に彼は頬を殴られて、その場に蹲ってしまった。
それは一瞬の事で思わず悲鳴を上げそうになり慌てて口を抑えた。そして、他に同じようなダウンコートを着た男達二人が次々と単車から降りてくると、雪うさぎをめちゃくちゃに踏み潰したり蹴り上げたりして下卑た声で笑い始めた。みんな一様に耳や鼻のあちこちに金ピカやら髑髏を象ったようなピアスを付けている。
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