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「……あれ?」
しかし、押されたボタンはカチカチと無意味な音を立てるだけで、何の反応もない。
もちろん電車が止まる様子もなければ、車掌が応答する気配もなかった。
「壊れてんのか?」
「ふざけるな! 非常時に押せないボタンになんの意味がある!?」
「ふぇ……店長こわぁい……」
「大丈夫、琥珀ちゃんこっちおいで」
人の少ない車両の中に、店長の怒鳴り声はよく響く。それに委縮した桧野さんが泣きそうになっているが、高月さんが自分の傍に彼女を呼び寄せていた。
「なんか、これって……都市伝説のやつみたいだな」
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