03:都市伝説

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「止めるって、車掌に頼むってことか?」 「そうじゃないか? 俺だって興味本位で調べただけだから、どうすりゃいいかなんて……」  現実でこんな状況になるなんて、想像したことすらなかった。喜多川だってそうなのだろう。  彼のせいでこうなったわけではないのだから、知らないということを責められない。  だというのに、思考回路が違う人間というのはいるもので。 「まったく、肝心なところがわからないとは役立たずめ! 若さだけで無能が許されるなんぞ、甘っちょろい社会になったもんだ!」 「店長、落ち着いてくださいよ。無能に怒るなんて時間の無駄ですって。ほら、とりあえず座ってください」 「フン!」  普通に会話していても声が大きい店長は、禿げ上がった頭から湯気でも噴き出しそうなほどに怒っている。  そんな店長を落ち着かせようと、座席に腰を下ろさせたのは福村だった。  一見すると気遣いができる男にも見えるのだが、生憎と福村はそんな奴ではない。  店長の機嫌を取りながら、喜多川に対して無能だと思っているのも本音なのだろう。それは喜多川だけではない、僕に対してもなのだろうが。
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