2:見覚えのあり過ぎる暫定モブがいる

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2:見覚えのあり過ぎる暫定モブがいる

 当主への挨拶が終わった後、士官学校も兼ねた兵舎へと案内された。基本的には自宅で生活するが、戦が近づくと、ここで寝泊まりして準備や作戦の確認、鍛錬などを行うようだ。可能な限り戦が起こらないことを願う。流石に、寝泊まりする場所は男女で分かれている。  この日はそのまま同期との顔合わせも兼ねて、広間で軽い宴会のようなものが行われた。まだ酒の飲める年齢ではない人物が殆どなので、酒の代わりに水とお茶を出される。実質お座敷型のファミレスである。  今の時期感染症の流行もないので、わいわいがやがやと同期となる他の人たちは楽しそうに騒いだり、雑談をしたりしながら食事を楽しんでいた。  一方私は、広間の隅付近で喧騒に巻き込まれない、かつ悪目立ちしないように適度に会話に混ざりながら同期の顔を確認していた。  ひと際女子たちの視線を浴びている男子に目が留まった。その端正な顔立ちを見て、私は直ぐに視線をお膳に戻した。 (なんで、『狂街』の礼彦(あやひこ)が此処に!?)  まさかのクロスオーバー(複数の違う作品が一つの世界線、物語を構成する事)時空だと判明。しかし、クロスオーバー先の作品の知名度的に、俺得にしかなり得ないだろう。他の登場人物も何処かにいる筈なのだが、彼らの説明をどのように仲間へ行うかで、この後小一時間程悩むことになる。  
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