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「ウ、ウゥ・・・。ア、ア、アァ・・・」
所々がひび割れた石造のような色の肌を持ち、虚な目で気味の悪いうめき声を上げるこの生物こそ、今回彼等が撃破しようとしているターゲットだ。
「魔物」と呼ばれる生物である。
魔物は見た目こそ人型であるが、知能はほとんど存在せず、自らの視界に捉えた人間を無差別かつ機械的に襲うという危険な性質を持っている。
高い身体能力に加え、腕や指を槍や剣などの様な鋭い形状へと自在に変形させる能力を有しており、人間を見付けると襲い掛かって来る為、人類に害を成す危険な存在として広く認知されている。
意思疎通が出来ず、ただ一方的に攻撃を仕掛けて来るような者を相手に説得は不可能である。
であるならば、人類の取るべき手段はただ一つ。
魔物のような自分達にとって害悪となる存在を武力を以て早急に撃破、排除する事である。
魔法技術が深く浸透したこの時代においては、そういった戦闘行為にも全て魔法が用いられている。
その為、クラインとコウタのような戦う為の魔法を駆使する者「魔法使い」が現地へと派遣されるのだ。
魔物は知能が低く、魔法攻撃に対する耐久力も高くはない為、単独で戦う分には決して恐れる様な相手ではない。
今のクラインとコウタのようにチームを組んで連携し、各個撃破を狙って行けば問題無く対処出来るレベルの相手だ。
コウタは引き続きビルの屋上からの監視を続行し、クラインに指示を出したポイントまで魔物が移動して来るのを息を潜めて静かに待つ。
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