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賑やかな繁華街の隅に、胡散臭い看板が立てられていた。ボロボロの店の中心には水晶玉が置かれ、その後ろに山姥のような婆さんが座っていた。おまけに、怪しすぎるキャッチコピー。
あまりに異質な雰囲気に誰も近づく者はいなかった。
「ねえ、見てよ。あのボロボロの店。占いかな? ちょっと行ってみない?」
異質な雰囲気にも関わらず、友人の美鈴は興味津々になっていた。彼女はいつも好奇心旺盛で、異質なものにも躊躇わず突っ込んでいく。慎重な私の性格とは正反対だ。
「どう考えても怪しいって。絶対詐欺だよ」
「大丈夫だって。見てみるだけだから」
私は美鈴を止めたが、いつも通り彼女は引き下がらなかった。私は仕方なく彼女の意見に合わせた。人通りの多い繁華街。何かあれば、逃げればいい。
怪しげな店に近づくと、その様子に気づいたのか婆さんがゆっくりと顔を上げた。不潔な白髪の髪が顔にかかり、その隙間から弱々しい目が見えた。
「いらっしゃい。若いね、高校生かい?」
しわくちゃの口がゆっくりと開いた。しわがれた声に私はぞっとしたが、美鈴は物怖じせず答えた。
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