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ちょー気まずくて黙ってしまう。
「あなたのお名前をお聞きしてもよろしいでしょうか?」
「あっ、天通紀沙です…」
「かわいい名前ですね。私はクロックと言います。」
怪しげなこの男の手には絶対に乗らん!
一言たりともミルフィのことは言わないからな!
覚悟を決める。
キザ貴公子ことクロックはちゃんと私を孤児院の前まで送ってくれた。
「では、困りごとの多い紀沙さん。今宵のよい出会いをありがとうございます。」
「あー。どうも、クロックさん…。」
最後が嫌味だらけだったのはなんなんでしょうね。
「それと、その占う天使のミルフィくんに気をつけてと言っておいてください」
「はい。わかりました。…って、えっ⁉︎」
いつのまにバレたし⁉︎
「ベテラン天使を舐めない方がいいですよ。天通紀沙さん。」
「…」
私は決めた。
ミルフィと決別することを。
ミルフィが二度とこのような目に遭わないために私と離れるしかない。
私は決めた。
一人でも生き抜いていくことを。
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