I want to be a dead person!

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 わたしは、救世主になりたかった。  救世主になるには、何か特別なひとでなければならなかった。例えば、ノブレス・オブリージュの精神を持った気高い貴人だとか。例えば、持てる者は与えなければ、と、無償の救いを施す英雄だとか。  少なくとも、そうでなくてはならない、と。他ならぬわたしが、そう思っていた。  なのに。  それなのに。  わたしはひとつも「特別」を持っていなかった。  ただの平凡な。  私が見下し、救ってきたかれらと、何も変わらぬただの人間だった。  ああ、それならいっそ。  救いも力もないのなら。生きている価値がないのなら。 「……もういっそ、死人にでもなれたらな」
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