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やり始めたのはいつだったか、初めの頃は腕立て腹筋スクワットは100回ずつと、武術の特訓を30分程こなしていただけだった、これは魔王を倒した後の話である
「うし、終わり!」
今となってはこのメニューを1時間足らずで終わらしてしまうほどだった
今では魔物は世に出ぬよう祠に封印し、争いの無くなった世界が訪れている
では何故鍛えているのか、それはクレスがただ単に趣味だったからだ
自分の年齢が分からないほど生き、殺されても死なない不老不死の身体、友達や恋人を作る事は出来ず、唯一の趣味が自分を鍛え上げる事だった
「‥‥‥はぁ、こんなんじゃ汗も出ないな、とりあえず暗くなってきたし家に帰るか」
その帰り道、近くの森の入り口付近で盗賊に襲われている所をクレスは見逃さなかった
「ん?馬車に乗った人が襲われてる?」
「ひゃーっひゃっひゃっ!その馬車に乗せている食糧や金目の物は置いていきなぁ!」
「な、何なんですかあなた達は!?これは私の商売道具、そう簡単には渡せませんわ!」
「なら痛い目あってもらわなきゃなぁ!やっちまうぞ野郎ども!!」
盗賊のリーダーの掛け声と共に女商人に襲い掛かるが、すんでのところで盗賊達が立ち止まった
「き、きゃああああ‥‥‥‥あれ?」
盗賊達の顔をよく見ると、白目をむいて泡を吹いていた、次第にバタバタと倒れ始め、盗賊のリーダーは訳も分からずパニックになっていた
「な、なんだ!?何が起こったんだ?お、おいお前ら起きろ!」
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