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   立花とのことは、恋でもなければ、愛情からの思いなどという、そんな感情ありきの恋愛なんかじゃなく。  互いにあった『利己』のぶつかり合いが招き寄せた『不幸な出来事』の顛末だったのだと――分かった。 (立花一人が悪かったんじゃない。…そうだって、理解できたのは)  隼人の誠心誠意に触れた、からで。  好きな人に求められる恋がどういうものなのかを、知ることができたから…で。 「自分は不幸だと嘆くんじゃなく、教訓として学ぶべき出来事だったって気づきを与えてくれた隼人さんには、感謝しかないです。 ありがとうございます」 「――感謝、だけ?」 「えっ?」  ローションボトルを手にした手をぶら下げ、彼方の顔を下から窺い見るような目つきをする隼人を見た胸が、かぁっと熱くなる。  ――試している、彼方がどう答えるのかを。  その目つきと態度に、隼人の意図を感じて目を泳がせると、肩に腕を回した隼人に抱き寄せられ、じわりと発汗する。 .
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