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  「――本当に、いいんですか?」 「いいに決まってる」  心だけでなく、体も深く重ねた――その、週末。  全財産の一切合切を失くしてしまった息子を心配し、どうしても様子を見に来ると言って聞かない彼方の母親を出迎えるため。  最寄りの駅まで、徒歩で向かう彼方の隣を歩いていた隼人は、不安げに瞳を揺らしている彼方の眼差しを見つめ返し、穏やかな笑顔を見せた。 .
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