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「う〜…緊張するー」
「…もしかして、カミングアウトしてなかった?」
「はい。 たぶん家族の誰も、オレがゲイだっていうことに気づいていないと思うから」
「そうか」
(誰かに、恋はしても)
自分が思うようなカタチには、どうしてもなれなくて。
フラれたり、捨てられたばかりで。
同性相手にしか恋情を抱けないと伝えるにしても、そんな体たらくな自分の事情を抱えたまま両親に伝えてしまえば、二重に心配をかけてしまうような気がして…
そんな自分の性分を思えば、生涯、本心を身内に打ち明ける日なんて来ないだろうと、思っていたのに。
…それなのに。
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