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Ωフェロモン フェロモンの種類
保健医は静かに話しだした。
「ΩはΩフェロモンを出す。これはわかるね。Ωフェロモンは主にαに作用して、性衝動を誘うと言われている。でもΩフェロモンはもう一つある。極端に言えばΩはそのフェロモンを使い分けることでαの行動を支配していると言える。
で、フェロモンの種類だけれど、代表的なのが発情期の時の性衝動を誘う性フェロモン。これは知ってるね。
それからもう一つ。普段から微量ずつ出ているのが、Ωを守るための保護フェロモン。
これは名前通りにαがΩを守りたくなる作用がある。けがや病気で身体が弱った時にはたくさん出る。このフェロモンがあると、αは無条件にΩに優しくしたくなるし、危険から守りたくなる。普段は微量だからαの意思で抗うこともできるけれど、Ωの身に危険が迫っている時は、性衝動と同じくラットを起こす。保護フェロモンでラットを起こすとαの中の優先順位の一番がΩを守ることになる。
美談によくある『一人をみんなで守ったって』いう話は、保護フェロモンのせいじゃないかって言われてる」
「保護フェロモン? 知らなかった……」
「保護フェロモンについては性教育でもほとんど触れないからね。保護フェロモンによるラットは、性フェロモンのラットと違って理性を失わない。むしろαが持っている最大限の能力を引き出す。だからΩの手術をαが行うと失敗しないとかも言われてるんだよ」
「今までαが完全に優位なのかと思ってました」
生徒が感心して呟く。
「そうだね、αが優秀だから優位性が目に付きやすいけれど、実はαがΩを虐げるのはすごく苦痛なことで難しい。だからラットが起きて無理矢理番にされたとしても、αはΩに尽くすようになる。しかも命をかけて大切にしてくれるから、始まりは事故だったとしても、ほとんどのΩは最終的に番のαを心でも受け入れるようになるんだ」
【要点】-----------------------------------------------
Ωフェロモンの種類
●性フェロモン
主に発情期に分泌される。αの性衝動を誘う。
αがこのフェロモンに中てられるとラット状態になる。
ラット状態では、性交渉をしたい要求が抑えられず、理性を失って凶暴になりやすい。
●保護フェロモン
通常から微量分泌されている。命の危機に陥ったに大量に分泌される。
αの保護欲を誘う。このフェロモンの効果でαは無条件にΩを守りたい気持ちになる。
αがこのフェロモンに中てられるとラット状態になる。
ラット状態では、理性は失わずむしろパフォーマンスが上がる。
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