宝石の涙

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目が覚めると、白い天井が見えた。 私は起き上がろうとして、初めて拘束されていることに気づいた。 首を動かし、手足を見ると、 四肢をベルトで固く縛られ、手足の先が青くなっていた。 手にはいくつも点滴が刺されていた。 自分の隣りにある心電図が私の体の状態を示していた。 専門知識は何一つ無いが、今、私の体の状態は他の人では考えられないことが起こっていることだけは読み取れた。 自分の今いる状況を理解しようと頭をフル回転する。 なんとなく理解ができてきた頃、どこからか声が聞こえた。 「やっと、起きたようだね。」 声のした方を見るが、壁しかなかった。 私は、幻聴を聞いているのか? いや、直接脳内から聞かされている。 「あー、あー、通じてることを願うよ。 君をこの施設へ入れるときに、試しに銃を撃った。 その時、君は宝石を落とした。 だから、私は君は『血』『感覚』のどれかを犠牲にしているんだと、考察した。 仕方がないが、 君はこれから全てを、すり潰しながら国家と私のために宝石を吐いてもらう」 そうとだけ言い終わると、頭に声は聞こえなくなった。 注射のせいで、ろくに喋れなかった私は抗議もできなかった。 何もない天井を見つめ、自分の体を呪った。
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