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私が研究所に来てから数年の時が経った頃、扉が開いた。
ここに来てからというもの、扉が開かれたときは一度もなかった。
開けたのは、白服を来ているが私を連れてきた男ではない。
男は私に気がつくと私の元へと走ってきて云った。
「こんな実験、こんな施設、こんな国、すべてから逃げよう」と。
なんで、あの人(白服の男)と同じなのに、助けようとするのだろう、、、
私に希望を持たせるためだけの演技なのかな、、、、、
黄色い肌の男は、拘束器具を取り外していき、すべてを外し終えた後に話しかけてきた。
「君はここで何をされていたんだ、、、左腕が失くなっている、、、、」
この人は私の実験を知らないんだな、、、、
私は声を出そうとしたが、長年話していないため、声がうまく出せなかった。
「なんで、、助ける、、、、、、、、」
喉を久しぶりに振動させ、少し震えた声で聞く。
すると、「君を助けたいと思った。」と即答する。
私は、話すことが無理だと思ったので文字で伝えることにした。
痛覚がないので指を噛み切り、その血で文字を書く。
Я - Ария.
Я - воздержание человечества.
Я выплевываю драгоценности
Я - материал для исследований
(私はアリア
私は人類の禁忌
私は宝石を吐き出す
私は研究材料)
これだけ書くと男は納得がいったように、立ち上がり手を差し伸べてきた。
「僕は、住井だ。僕の国に一緒に逃げよう。日本は色んなものが有る。逃げたら楽しいと思えるようなことをたくさんしよう!」
私は差し伸べられた大きい手に手を伸ばした。
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