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住井は私の手を引きながら、研究所の出口へ走り出した。
白くて長い、永遠に続く道。
窓も一切なく、外とは隔絶された監獄。
永遠に続く道を走っていると、警報装置が鳴りだした。
「「対象の逃亡を確認」」
警報音が研究所全てに響き渡る。
永遠に続く道は永遠ではなかった。
終りが見えてきた。
そこには、大きな扉があった。
扉まであと、数十メートルというところで白服の男が出てきた。
「やぁ、住井くん。君は優秀だから日本からロシア本部に来ていたというのに、、、初日で事件を起こすとは、、、、、」
白服の男が、長々と話す。
その間に逃げようとするが、防護服を着て、銃を構えた警備隊に囲まれる。
この状況ではどうしようもない、、、、
「住井くん、知ってるか?実験体R-570、、、、いや、アリアちゃんと言ったほうが良いか? 彼女はかれこれ1年間宝石を吐き出さない。 つまり、もう不要なんだ。」
全てを言い切り満足したのか、口調が変わる。
「コイツラは不要だ。殺せ。」
その命令で、警備隊が一斉に銃を構える。
このままでは住井が死ぬ、、、、、
どうしよう、、
自分がするべきことも分からず、とりあえず立ち上がる。
この男を止めれば、、、、住井は死ななくて済む、、、、、、、、、
私は、、、、、、、、、、、、
静寂の中、一つの音が響く。
カンッ
突然涙がこぼれ落ちた。
紫の宝石、アメジスト
石言葉は決断
私は、白服の男のもとへと、歩きだした。
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