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「へ?」
柿崎は綺麗な顔の割に間抜けな声を出しながら振り返った。
「君が操っているように見えた。沢渡のことも中林のことも。だったら君が上に……リーダーになればいいじゃないか」
「―――」
柿崎は倉科を見たまま静止した。
「俺さ……そういうのやめたんだ」
そして口を開くと、手の中のツナマヨパンをパクっと口の中に入れた。
「みんなを引っ張るのも場を盛り上げるのも面倒くさいじゃん。そういうのは馬鹿か天才のやることでしょ」
柿崎はそう言いながら手についた粉を払った。
「つまりは沢渡かキミがやれば?ってことね。どう?4ヶ月の間でも倉科がやれば?サポートしてあげるよー」
本気とも冗談ともとれない言い方に、倉科は視線を落とした。
「ーー俺も、そういうの、もうやめたんだ」
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