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『1年5組』と書かれたパネルの傍に置かれた椅子まで案内されたサウラは、
6年生にお礼を言って別れ椅子に座った。
辺りを見渡すと他のクラスにもちらほらと生徒が集まり始めていた。
それから1時間後、漸く1学年全員の組分けが終わり入学式が始まった。
「(これで何柱目だよ…!)」
サウラはもう、うんざりだった。
かれこれもう何十柱という神達が、凄く長い話をしてくるのだ。それも要約してしまえば、『入学おめでとう!』だの『良い学校生活を楽しんでね!』という一言で済むであろう話をである。漸く話終えたらしい神をまた1柱壇上から去るのを見送り溜め息をまた1つ吐く。何時になったらこの地獄から解放されるかと思いながら。
更に数十分後、漸く『校長』の名前が呼ばれ、ふと顔を上げれば、1柱の年老いた男が壇上に立っていた。
「(あれ?この神(ひと)見たことがある…、誰だっけ………あ、思い出した!この神(ひと)中国って国の
『最高神』天帝様だ!え、この神(ひと)が校長先生?!嘘!!!!)」
と、考えている間にも校長の話は進んでおり、サウラは慌てて耳をそばだてた。
「ーーーみなさん入学おめでとうございます。今日からみなさんは本校『初中高一貫八百万学園』の一年生です。不安なこと分からないことなど沢山あるとは思いますが、そんな時は先生たちや上級生達を頼ってください。最後に先生から1つ宿題を出します。「鯉の滝登り」と言う言葉があります。意味は、勢いの良いこと」という意味があります。では、鯉が滝を登る理由は何なのでしょうか?滝はとても流れが速く危険なところです。それなのに鯉はなぜ登ろうと思ったのでしょう?この宿題には答えはありません。ですがだからこそ宿題として出す価値があると私は思います。みんな自由に考えてください。そして答えが出たら私の元に来て導き出した答えを教えてください。待っていますよ。では頑張って!。」と言って締めくくり校長は去っていった。その後、校長が各担任の紹介をし、
各担任が一言挨拶した。
「5組の担任、鳳凰先生。」
「皆さん入学おめでとうございます。
1年5組を担任します。鳳凰です。」
担任の紹介と、挨拶が終わり、サウラは鳳凰と呼ばれた男について行き『1年5組』の教室に向かった。
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