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青いカーネーションの話をすると、希さんは途端に瞳を輝かせた。
俺は肩越しに振り返って優斗を見ると、ふたたび口を開いた。
「青いカーネーションの花言葉って『永遠の幸福』だったはずだよ」
希さんが優斗を想う気持ちにぴったりと当てはまっていて、思わず告げる声が弾む。
目の前の優斗は肩の荷が下りたようにほっとした表情を浮かべた。
つんつんと腕を突かれて視線を移すと、希さんが右手で自分の口元を覆いながら小声で言った。
「……しかも青って、修司のメンバーカラーだよ」
それまで晴れやかな笑みを浮かべていた目の前の優斗が、笑顔のまま眉間にぎゅっと皺を寄せた。
『なんなの、どうして毎回こういう事に……』
優斗のぼやきを聞きながら、冴木が教えてくれた"橋の上で石橋さんから聞いた話"をぼんやりと思い返す。
「ある意味さ、じいちゃんが言った通りになったのかもね」
『え、何が?』
「"俺が死ぬまでずっとツートップだ"ってやつ」
『…………ねぇ、見る? 幽霊のトリハダ』
俺と希さんが揃って滑らかな笑い声を上げる。
思わず苦い顔した優斗のことを、それまで離れた席で石橋さん達と話していたじいちゃんがきょとんとした顔で見てる。
その肩には鮮やかな青色のカーディガンが掛けられていた。
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