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わんわん泣く息子と。自分の部屋のドアを勢いよく締めて閉じこもる娘。……さてどちらを優先したものか。
というより夕食のお支度という大事な仕事が自分には待っている……腹が減っては戦は出来ぬ。よし。飯を作ろう。
ふらついた足取りで砂菜枝は台所へと向かう。すると、航暉は、自分が見捨てられたと感じたらしい。わぁんわぁん……と激しく泣きだす。……それでも小学校三年生なのかと。我が息子ながらも、もう、……可愛がる気力すら砂菜枝には残っていない……毎日、することが山積みで、それに追われて疲れて……ゆっくりお茶をする時間すら取れなくて。
子どもたちにご飯を食べさせたら次は続いて洗濯物を干したり畳んだり。それから、愛里沙は、弟とは一緒に入りたくない、と言っている割には一人ではお風呂には入れないので先ずは砂菜枝が愛里沙を洗ってやる。愛里沙は髪をロングに伸ばしており、大人が髪を洗ってやらないとひどいことになる。一度愛里沙に全部任せてみたところ頭皮の匂いがヤバすぎたので懲りた。
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