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☆00. prologue
自分が人生の主役でない、と気づいたのはいつだっただろう。
長女の愛里沙を出産したときから? いや違う。
それとも長男の航暉を産んだときに。……いや違う。
思えば、夫の博則と結婚したときから自分は奴隷と化した、と砂菜枝は思う。
そして彼女は思う。――サラリーマンにだって有休休暇があるように、主婦にだって夏休みとか、お休みがあったっていいじゃないのか。だって。主婦は。
365日、24時間体制で働いているのだから。
そしてそんな砂菜枝が、たった一時間のシンデレラとなるまで、……残り二ヶ月と迫っていた。
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